ワンステップ那須烏山│就労継続支援A型事業所

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凸凹(でこぼこ)日記

30年ぐらい前に買った絵本です

30年ぐらい前に買った絵本です

何かがかが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながら 僕は歌う
「ぼくはカケラを探している 足りないカケラを探してる
ラッタッタ さあ行くぞ 足りないかけらを…」

「ぼくを探しに(The Missing Piece)」(著&イラストShel Silverstein 翻訳 倉橋由美子)より。

「何かがたりない、それでぼくは楽しくない」と感じている主人公「ぼく」が、「理想の自分」になるために「足りないカケラ」を探しに行く話です。
最後に理想の自分を手に入れ、やりたかった事が次々に実現していくのですが、「あれ、何かがちがう」(あまり楽しくないぞ。前の方が楽しかったぞ)と物足りなさを感じてしまいます。そこで気が付きます。理想の自分になれば楽しいわけじゃないんだ、何かがたりない自分だから楽しめることがあったんだ。「そのままでいいんだ」って。

かけているから きれいな景色に出会える
かけているから 花のにおいをかぐことができる
かけているから うたうことができる
かけているから 気づけることがある
かけているから いいんだよ
そのままでいいんだよ

人間関係や就職について悶々と悩んでいた当時、こころに水をかけられたあと、光につつまれたような、ハッとして、ほっこりした感覚を覚えています。
パッとしない、格好悪い自分でもそのままでいいんだ!自分は自分のスタイルで生きよう!

…ですから本当は、ワンステップのみんなにも「そのままでいいんだ」と言いたいのです。

でも残念ながら、彼らの場合は少し違いますね。言えません。障がい者が仕事や生活をしていく上で「そのまま」では上手く行かない現実があるためです。

「こんなことがなぜできないの」と叱られます。でも苦手なことはできないのです。
「普通にやって」と言われます。でも普通が何か分かりません。
「じゃま!」と良く言われます。でも早く動けません。
大人だからって「一般常識やコミュニケーション能力は持ってるでしょ」と思われると困るんです。

障がいを持っている人は得意、不得意、出来ること、出来ないことの差が大きい人、こころの成長具合にも個人差があり、凸凹が多い傾向にあります。
この凸凹(得意・不得意)は個性ですね。基本、個性は「そのままでいい」と思うんです。無理をせず今の自分のまま、良い所を伸ばし、楽しみを見つけるのが理想的です。しかし「そのまま」では生きづらい現実があります。苦手分野を一般社会に順応できるレベルまで引き上げ、克服することが最低限必要です。

得意分野を生かし、不得意分野を助け合う、協力して仕事を行い、目標をクリアすることで達成感を味わっていく、そしてさらに高い目標に挑戦する、そんな成長のサイクルができると最高ですね。利用者全員が少しずつレベルアップしながら、今、出来ていることを、もっと上手に出来るように、楽しめていることを、もっと楽しめるように、全力で支援し、みんなが新しい自分に出会えるように応援し続けたいと思います。

平成30年11月にワンステップが始動して2年が経ちます。当初2名だった利用者もおかげさまで20名に増えました。ありがたいことです。これからも初心を忘れず、みんなと一緒に成長していけるよう、スタッフ一同頑張って行きたいと思います。

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